八戸情報誌 amuse 2012年5月号

はちのへ演劇祭関連について、以前、事務局の柳沢さんから、アミューズに記事を寄稿していただきましたので、掲載します。


「新しい公共」時代の、つくるということ。
 柳沢拓哉/八戸ポータルミュージアム コーディネーター

(1)この欄の担当である某オルタナティヴスペース主宰のben氏より、「最近のことで、何でも良いから書いて。3日で」との指示を受けた。何でも良いって、まあ、あんた。と言いたいところだが、いつも御願い事ばかり重ねている当方として断る余地など有ろうはずが無い。書ける事をぽつぽつと…。
(2)アウトサイダーとインサイダー。ゲリラ的なるモノ(自発性、同時多発性、即時性…)と管理的なるモノ。
これらは現実の世界では、言葉の意味ほどに二項対立関係は無く、創造的にものを創る現場において、どちらも必要不可欠な要素なのだろう。ここ数歳の私個人の有り様は、より内側へ、より責任的に、と踏み込むことを自らに課してきた。生来のO脚が悪化するのも無理は無い。
4月。年度が切り替わり、新たな出会いと別れがあった。昨年後半から、複数の友人知人の新たな挑戦や、軽やかで前向きな姿勢を憧憬することしきりだった私は、今年度はもう少し自分の意思を表明し、吐いたツバを飲み込むことなく、インサイドでもアウトサイドでも成果を残していきたいと思っている。
(3)昨年のはっちレジデンスプロジェクトの一つ、ベトナム人アーティスト、スー・ハイドゥの「デコトラヨイサー」では、盲聾学校の皆さんや市民ボランティアの方々とともに制作し、地元トラック関係者、朝市・陸奥湊関係者、市民ダンサーなど多彩な顔ぶれがアートプロジェクトを形成していった。二重、三重の意味でのボーダレスなプロジェクトである。創り手と受け手、内外が交錯し、逆転する中から、八戸固有の地域資源に新しい光が当てられ、価値が生み出されていく。
(4)今年は、職員としても、一市民としても、継続的なトーク事業をはっちを舞台に実施していく。公式企画では、20人~30人を対象として、市内の様々な方を講師とし、豊かなライフスタイルを提案するような、参加型の小さなトークを月一回程度開催していく予定だ。
また、これまで中心街の活性化について、一緒に活動してきた市民有志の企画で「哲学カフェ」と題した対話型のトークも定期的に開催していく。私も個人的に参加するが、未曾有の震災を経た、価値観の揺らぎの時代。対話の場を通じて様々な気づきを生み出していくことは、八戸という都市のパースペクティヴに深みを加えていくだろう。民間主催でこうした取組みが起こるまちであることを、誇りに思いたい。
(5)ben氏が、最も私に書かせたい事業は、「(仮称)はっち演劇ウィーク」である。この事業は、10月23日から11月12日の秋の3週間に渡り、はっちシアター2で演劇連続上演を実施するプロジェクト。シアターを、シアターとして活用する。【演劇の盛んな街・八戸】を担ってきた演劇人の方々と、高校演劇関係者、そして新たに演劇に携わりたい、という若者が共に創り上げ、上演するもの。
その地点へ向かって、公開練習もあるだろうし、ワークショップやレクチュア・トークもあるだろう。この演劇事業実施に当たり、新しい挑戦をしたい方々を大募集していくことになる。興味を持った方は是非、ご連絡ください!……。と、ここでお話できるのはここまで。
この事業がどのように進んでいくかは、まさに演劇人の方々と共創で取り組んでいくこれから、決まっていくもの。当然、施設としてのスタンスや縛りはある。心地よい緊張感を継続しながら、新たなものを生み出していきたい。こちらの欄で状況をお知らせすることも…あるのかも。自分の首を絞めそうだが。
演劇人の方々と一緒に取り組みできて、若い方々に挑戦の場を提供できる。こんなに楽しいしごとは無い。つくること、つくらないこと。そして共につくってもらうこと。これからも、まちとはっちのキャパシティビルディングに汗を流していきたい。
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